大正14年10月7日、四国に似た風光明媚〔ふうこうめいび〕で温暖なこの地に「弘法大師〔こうぼうだいし〕」を奉安し、そのご威徳〔いとく〕を慕い奉る〔たてまつる〕という趣旨により、当時の四国八十八ヶ所霊場会長(善通寺誕生院貫主〔ぜんつうじたんじょういんかんじゅ〕)より「四国直伝証」を拝受し「四国直伝弘法八十八ヶ所霊場」〔しこくじきでんこうぼうはちじゅうはちかしょれいじょう〕が開設されました。
四国に気候的にも雰囲気的にも似ている風光明媚な知多半島に当霊場が開設されたのは、大正14年10月7日のことであります。当時の四国八十八ヶ所霊場会の会長であった、別格本山善通寺誕生院の貫主「佐伯宥粲猊下」の御前より、お大師様を直伝されました。お大師様生家のご子孫にあたられる、佐伯宥粲猊下より「直伝」されたことは大変意義深いことであり、また本四国の各札所寺院に奉安されている大師像も、この善通寺よりお下げになったということで、本四国の御大師様と同様の御位であるといわれています。
知多半島には、もうひとつの八十八ヶ所「知多四国霊場」があります。
四國直傳弘法大師尾張八十八ヶ所霊場の寺院はほとんどが「知多四国霊場」の札所寺院とは別の寺院で構成されており「直傳弘法さん〔じきでんこうぼうさん〕」の愛称で親しまれています。知多半島に2つの八十八ヶ所。全く違った出逢いや体験が出来るはずです。